
| 【熱意】 エリジオンの上田明広は入社4年目の25歳。東京大学の大学院に進むつもりだったが、同社を知り進路を変えた。社長の小寺敏正の「技術者の理想郷をつくる」という熱意に打たれ、好きな数学が生かせると考えた。 その上田は昨年、3次元CADのデータ変換ソフト(トランスレーター)関連の開発が評価され、年収が1000万円を超えた。25歳の大台突破は同社で最年少。7月から同社が力を入れるデータ検証・修正ソフトの心臓部の開発も任された。 エリジオンは徹底した実力主義をとっている。目標管理を基本とする年俸制だ。優秀な人材には相応の報酬で応えるとの考えから、ボーナスは成果により最高1000万円まで支給される。現在、社員56人中、15人が年収1000万円を超えている。 一方で社員に求めるハードルは高い。東大大学院で航空工学を学んだ福田健太郎は入社3年目。7月から先輩社員と2人で、海外提携先との交渉や欧米拠点との連携を任された。「他社の同年代よりプレッシャーは強いかも」と苦笑する。社員1人当たりの粗利は04年6月期で3400万円と、ソフト業界の平均の約3倍。これを5年以内に5000万円にするのが目標だ。 「優秀な人材しかいらない」というのが小寺の持論だ。同社のトランスレーターや、その応用ソフトは3次元の形状処理技術がベース。開発担当には高度な数学の知識と、非凡なアイデアを生む才能が求められる。営業担当にも相応の専門知識が欠かせない。努力だけでは、ついていけない世界だ。 【クイズで採用活動】 社員は競争率も難易度も高い入社試験をくぐり抜けた人材ばかり。とはいえ社員の平均年齢は28.9歳で、平均勤続年数は5年に満たない。経験不足は否めない。ニッチ(すき間)のビジネスだけに、中途採用したい30代、40代の管理職クラスに、適材が見つからないのも悩みの種だ。 【社内教育を充実】 現在、同社は社員1人当たり1000万円以上の経常利益を上げている。「若手が勉強を続け、経験も積めば、5年後にはすごい会社になる」(同)。当面の目標として社員200人、売上高100億円を掲げる同社。今の好調は将来の飛躍に向けた助走にすぎない。 |
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