戦後からバブル崩壊を迎えるまでの高度経済成長の時代には、官主導の護送船団方式で皆が一緒に働いて経済発展を遂げました。巨大資本が工場と労働力を確保することで、高品質の工業製品を安く大量に生産供給してきました。そのお陰で、今日の私達は昔の将軍よりも物質的に遥かに豊かな暮らしが出来ています。
しかし、2008年9月に事態は一変し、米国発の金融危機が世界を巻き込んで100年に一度といわれる未曾有の世界同時不況に突入しました。史上最高益を更新していた企業が軒並み大幅減益か赤字に転落し、新卒や派遣社員だけでなく正社員も雇用が脅かされています。出口の見えない苦境にもかかわらず政官は頼りにならず、的確な処方箋もないまま国まるごと漂流船のように彷徨っています。
日本の実情は経済的不況のみならず、少子高齢化・年金・医療・教育の荒廃・倫理観の欠如した国民・国と自治体の巨額の負債など問題が山積みで、近い将来には円が暴落し、日本は緩やかに衰退していくしかない状況です。
世界を見ても、人口爆発・食料不足・民族紛争・環境破壊・地球温暖化・核拡散の恐怖と深刻な問題は枚挙にいとまがありません。
しかし、私達には厭世観に浸っている余裕などありません。この閉塞感を打破し新しい夢のある社会を築いていかなければならないのです。
私がエリジオンを創立した理由は2つあります。
1つは、日本が従来のように自動車を中心とした製造業だけに頼っているのではなく、次の柱となる知的産業を発展させなければならないと思ったからです。
資源も食料も持たない日本は、高度に教育された優秀な頭脳しか競争資源がないのです。知的創造力だけで世界の人々を幸せにし付加価値を生み出せる産業が、これからの日本を救うと信じています。音楽やゲームやアニメだけではなく、製造業の飛躍的生産性向上に貢献できる技術系ソフトウェアの開発を通じて世の中に貢献することで日本を支えていきたいと思います。
数学や科学の力で地球温暖化や食糧問題を解決することも不可能ではないでしょう。
2つ目は、閉塞感を打破し新しい社会を切り開いていくためには、優秀な人に本気で凄い仕事をしてもらう必要があると思ったからです。
従来の大量生産を支えるためには1人の天才よりも良質で均一な多くの労働力が必要とされてきました。確かに「平凡を集めて非凡をなす」のも立派な経営かもしれませんが、私は「非凡を集めて非凡をなす」ような経営を実現したかったのです。
本当に優秀な人にその才能を100%発揮して社会に貢献してもらわねばこの窮地は脱出できないと考え、優秀な人が本当に凄いことをできる人生の舞台としてエリジオンを創りました。
優秀な人が才能をフルに発揮して素晴らしい仕事をすることは、その人個人にも会社にも日本にも人類にも幸せなことであり大切なことなのです。



